自己開示と自己主張

  • 2014.06.09 Monday
  • 01:10

世の中には、余計なことは言わない、オトナで、おとなしい方がいます。

相手のお話に合わせ、相槌を打って、それで会話が終わってしまう方がいます。

「何食べる?」という話になったとき「なんでもいいよ」と必ず言う方がいます。

いつも相手の都合に添い、いつも面倒な役回りをしてしまう方がいます。

その結果、相手は自分の話ばかりし、自分の欲求ばかり通し、

その方は聞いてばかりいて、我慢ばかりして、疲れてしまう。。。

こういう方は「他者中心」寄りの習慣が付いてしまっている方です。

他者中心になってしまう方に、なぜそのように振舞うのか伺ってみると、

○嫌われたくないから
○相手を否定してしまうのは良くないことだから
○相手が喜んでくれればいいから
○相手が気分を害すことをするのは失礼だから
○自分が我慢することで丸く収まればいさかいが起きずに済むから
○争いが起こるのは怖いから
○波風立てない方が面倒でないから

などなど、人それぞれ様々な理由がございます。


そう、他者中心でいるメリットがあるから、
そのように行動・発言している、ということなのです。

けれども一方で、我慢・自制ばかりでムズムズとストレスが溜まる。


このような方にお勧めなのは、「自己開示すること」です。

他者中心の方の多くは、自分の考えや思いを語ったら、
相手と自分が違う、ということが判明してしまい、
それは「自己主張した」「相手を否定した」ことになってしまう、
と考えておられる方がとても多いのです。

けれども、細かい話をすれば、

「自己開示」と「自己主張」は、ちょっと違います。

A.私ね、紅茶が好きなの。(これが自己開示です)

B.そうなんだねー!紅茶は香りが良くていいですよねー!(同調)

他者中心の方は、ここで自分の好みを言わず、
相手と同じものを注文する方もおられます。

そう、Bさんは、ここまでですと、
自己開示の無い、他者中心の状態なのです。

ここに、
B.私はコーヒー党なんですよぉ〜

と付け加わったら、これが、Bさんの正しい自己開示です。

先に、相手に同調してから、単なる自己開示。


では、自己主張とは、どこが、どう違うのか?

A.私ね、紅茶が好きなの。

B.そうなんですかー!私はコーヒー党なんですよぉ〜
  紅茶は渋くて、全然飲めなくて。
  でもコーヒーはね、体にいいんだから!知ってた?
  あなたも紅茶ばかりは体に良くないわよ、
  たまにはコーヒーにした方がいいわよー

このBさんの発言は、いかにコーヒーがいいのか、
Aさんに対して意見を押し出しています。

これが、自己主張です。

なんとなく、違いがわかりますかね?

自分の意見を、出すだけでなく、押す。

まぁ、このBさんはほぼオバタリアン状態の、
おせっかいな説教人にしか映らなくなりますが(笑)


もうひとつ例題を。
A:お寿司の1000円ランチを食べたい人 VS B:パスタが食べたい人

意見が出揃った状態は、自己開示の状態です。

そこから、いかにお寿司の1000円ランチが良いかを語ったら自己主張。
いかにパスタの方を選ぶべきか語ったら自己主張です。

「いやいや、お昼に食べればさ、お寿司のお値段も気にせず食べれるジャーン?」
「でもさ、私おとといコンビニの海苔巻き食べちゃって。。。
だからあんまり食べる気しなくってさ・・・」
「コンビニのやつと一緒にするなよ!」
「いや、一緒にはしてないけどさ、あのパスタ屋さんは美味しそうだったから。。。」

こういう会話が、お互いの自己主張のやり取りで、
多くの方が苦手とする領域となります。
こうなるのがイヤで、自己主張はおろか、自己開示しなくなる方が多い。

その結果、
「いえいえ、いいのよ、お寿司行きましょーよ!確かにお得よね!」
「いえいえ、いいの、お寿司は次回にしましょ、今日はパスタにしましょうよ」と
日本人はすぐに何かとこういう譲り合いになる。

(支払いをどちらがするかでレジの前でド突き合いしてるおばちゃんとかいますけど
あれは譲り合いではなく奪い合いですね(笑)
ガーンネコ

けれども、今日対象にしているのは、
Aから「私は1000円寿司ランチがいい」と言われると、
Bが一切自己開示せず「なんでもいい」「そうしましょう」と同意してしまう方です。


こういう方は、自己主張をできるようになることを、
目標としなくて大丈夫です。

まずは、ただの「自己開示」だけしてみましょう。


自己開示すら恐ろしい方が、
自己主張までして意見を押し出すのは、目標が高すぎるのです。

普段の人間関係はプレゼンじゃないので、
主張すればいいってものでもない。

大切なのは、単なる自己開示です。


ただ、「私はこうなの」「私は普段こうしてるんだー」「私は今ふとこう思った」
ということだけを、ポンッと出してみる。

それだけ。

押すことはない。

相手に勧める必要もない。

あなたもそうしなさいよ、なんていう言葉は、もっと要らない。

自己開示するだけで、相手を大きく害す・否定してしまうことは、
あまり無いものです。

大事なのは、言い方です。

何を言うか、ではない。

抑揚や、ニュアンスを、やわらかく言えばいいのです
おかお(幸せ)


金森でいえば
「私、干物なんです」・・・これでは、相手も困る。
ブチッと切らない。

そうではなくて
「あたしねぇ〜、家に帰っちゃうと、干物なんですよぉ〜(笑)ニヤニヤ」
「そのギャップといったらないんですよぉ〜もうカビ生えてるんじゃ
笑
みたいに、やわらかく言う。

そしたら相手も「えっ?そーなの?」「バレなきゃいいんじゃん(笑)」
くらいに返してくれるものです(笑)

「あたし、パスタがいい」ではなくて、
「うーーーん、あのお店のパスタは、おいしそーだったなぁ〜〜!」
という言い方で十分な自己開示になる。

「ゴメン!おとといコンビニの海苔巻き食べちゃったのー(>_<)」
パスタと言わなくても、これだけでも立派な自己開示。
消去法のひとつにはなる。

「延々と肉ばかり食う店じゃなければ、なんでもイケる」
苦手なことを言う。これも、立派な自己開示。

「静かな店がいいなー」「なんか、あったかい物が食べたい」
これだって、立派な自己開示になるんです!



自己主張などしなくても、
自己開示の積み重ねだけで、
人間関係は、徐々に、うんと、深まっていきます。

相手の自己開示を引き受け、自分の自己開示を引き受けてもらう。
そのやり取りが、人間関係を築いていくのです。


そのやり取りの中ではじめて、
「あー、この人とは、考え方が似ているなー」とか、
逆に「全然考え方が合わないなー」とか、
「この人と考え方は同じなのに、なんか話し方がイヤな感じだなー」とか、
「なんかこの人とは、好みは全然違うけど、たのしーなー」とか、
感じられてくるものなのです。


逆に、自己開示の無い状態の人間関係は、
いつまで経っても浅く、表面的で、
相手からすると、こちらがどういう人間かがサッパリわからず、
相手を害さない代わりに、自分を良くも悪くも思ってもらえない、
「よくわからない人」という・・・そういう存在になっていってしまうのです。


自己開示は、バンバンすればいいわけではありません。

少しずつ、少しずつ、で、全然大丈夫なんですよ
にた花

今出ている話題に合わせて、「私はこうなんだー」と、少し開示してみる。

すると、相手から反応があります。

それに対して、また少し自分の考えを自己開示する。
そして「あなたはどー思う?」と相手のお考えも聞いてみる。
半分こ。していくようにする。

相手からの反応が怖い方も、たくさんおられます。
→ここが解消できなくて多くの方がカウンセリングにお越しになるのですが

けれども、反応をもらってみて初めて気付くことが、たくさんある。
想像していなかったような反応が、来たりする。
否定してくる人もいるが、肯定してくれる人もいる。
そうして、わかってくれる人を見つけるために、
人は、話をすることができ、声を出すことができ、感情を持っている。

自己開示する習慣が無かった方は、
是非どこかで、どなたかに対し、お洋服屋さんでもいいから、
言ってみて頂けたらなーと金森は願っています
SMILY

 

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